イカリソウ


花が船のいかりの形に似ているからイカリソウ」。よくこのように説明されますが、この場合のいかりとは現在の二本鉤(かぎ)のものではなく、かつての和船で用いられた四本鉤のいかりです。
 イカリソウの開花期は4〜5月。花の四方に伸びた角のような部分、いかりの鉤にあたる部分は「距(きょ)」と呼ばれる器官で、これは花弁の一部が袋のように変化したものです。距の中には、花粉を媒介する昆虫をおびき寄せるための蜜が入っています。花の後にできる種子は親植物の下にぽとりと落ちるだけですが、その表面にはアリが好む